【キングダム・将軍の見る景色】信が王騎将軍にもらったものとは?

名場面と感想

キングダムの名場面で外せないのが、「王騎(おうき)将軍の最期」ですよね。

もうホントに涙なくして見られないほど、心を揺さぶられます。

王騎は贏政(えいせい)の祖父、昭王(しょうおう)の時代を支えた六大将軍の1人です。

作中の序盤で命を落としているにも関わらず、

  • 知と武を兼ね備えた実力
  • 個性的な口癖
  • 圧倒的なカリスマ性

が魅力の最強キャラなので、根強い人気があります。

 

信にとって、王騎は「指針となる人物」でした。

信が王騎からもらったものを、アニメ『キングダム』の名シーンとともに紐解いていきたいと思います。

 

王騎将軍がくれた「知」「武」

『秦の怪鳥』という異名をもつ王騎将軍は「知」「武」ともに優れています。

「戦場全体を鳥のごとく見渡せる視野の広さ・行動範囲の広さ」が王騎将軍の特徴です。

作中では信(と読者)に、「武将とは」「戦いとは」を言語化してレクチャーしてくれる役割を果たしてくれました。

 

王騎将軍が信に伝えたこと
  • 武将には「知略型」「本能型」の2種類がある
  • 軍が大きくなればなるほど、それを率いる将軍の才能と力が戦を左右する
  • 戦は武将次第。勝利のための尊い犠牲も含め、武将が勝つために描き、導いたもの
  • 将軍とは、百将や千人将らと同じく役職・階級の名称にすぎない
  • 将軍が手にするのは千万の人間の命を束ね戦う責任と絶大な栄誉

 

初陣のときの信は、「武将とは強い英雄」というイメージしか持ち合わせていませんでした。

夢を実現させるには、具体的に『描く』必要があります。

王騎が言語化してくれたおかげで、信は「将軍像」を明確にすることができたんですよね。

 

そして、龐煖(ほうけん)との一騎打ちで、王騎の武を間近で感じた信。

武の力はもちろん、相手に与える気迫、士気の高め方、統率力など肌で感じるものも多かったはずです。

 

信の目指す「武将像」は、きっと王騎将軍なんだろうな~と思います。

作中では序盤で命を落とした王騎将軍ですが、駆け上がる信をみていると王騎将軍の面影を感じませんか?

信という人物はもちろんのこと、キングダムという作品は、王騎なしでは語れませんよね。

 

将軍馬からみた「将軍の景色」は王騎将軍の人間性(器)そのもの

趙軍総大将・龐煖(ほうけん)に討たれ、倒れ込みそうになった王騎将軍を助けたのは信でした。

無我夢中で王騎の愛馬を走らせる信に、王騎将軍は伝えます。

敵の軍を、敵の顔を。そして、味方の顔を…。天と地を…。
これが将軍の見る景色です。
将軍の目にはさまざまなものが見えます。例えば、ほら、なかったはずの活路がすぐそこに。

 

言葉で説明はできないものの、「今の一瞬で、全身に力がみなぎった」と信。

この信の言葉を聞いて、「将軍とはみなを守り、みなに守られる存在なんだなぁ」と私は感じましたね~。

王騎将軍はなんであんなに大きくみえるのか?と考えたときに、答えはやはり「人間性(器)」に行き着きます。

 

  • 活路をこじ開けて合流した壁へ
    ⇒「あっぱれです、壁」
  • 長らく副長として仕えた騰へ
    ⇒「本来、あなたの実力は私に見劣りしません」
  • 敗戦のキッカケをつくった蒙武へ
    ⇒「成長を期待します」

自身の命が尽きようとしている中、王騎は部下たちを褒めること・労うことを忘れませんでした。

なんかもう、ほんとに器がデカい!!!!!そりゃ慕われるわ!!!!(涙)

 

「仲間に慕われる」という観点でいうと、信も見劣りしませんよね。

信の強敵になった輪虎(りんこ)からは、「君は仲間に慕われてるんだね」と言われています。

また、信と同じ下僕の出だった郭備(かくび)千人将も、「君の隊は間違っていない。このまま進め」と言ってくれました。

信も王騎将軍のように「人から愛される武将」になってほしいですね。

 

【感想】信が政に伝えた「王と剣」の真意を考える

王騎の矛を預けにきた信が、政に以下の言葉をかけて、アニメ1期は締めくくられています。

「王騎はお前に中華を託し、俺にはあの矛を託した。その意味が分かるか?」
「俺たちはこの国の未来を、いや、中華全土の未来を託された王と剣だ」

この信のセリフ、言葉としては理解できるんですが、その真意が掴めずにいたんです…。

 

以下のシーンを見直して、ようやっと分かりました!!(遅いw)

成蟜(せいきょう)の反乱のおり、王騎は秦王・贏政(えいせい)の前に現れ、 「貴方様はどのような王を目指しておられますか?」と聞いたことがあります。

曇りなき眼で「中華の唯一王だ」と答える政を見て、王騎はこう思います。

 

昭王の目は”中華”に恋い焦がれる夢追い人の目でした。
しかしこの王にはそんな甘き響きは微塵もない。
この目はしっかりと”中華への路”をとらえている。

馬陽の戦いへ出陣する前には、政に「昭王の遺言」を伝えた上で、こうも言いました。

私が仕えるに値する王にのみ伝えよ、と。共に中華を目指しましょう、大王。

 

王騎は、「自分が仕えるに値する王」という証(遺言)を政に与え、信には「矛(王の右腕として戦うための剣)」を与えたということなんですね。

「共に中華を目指す」という王騎の遺志を、信と政は背負っていくということか~~!!

そう考えると、遺されたもの・受け継いだもの・託されたもの、すべてが重いですよね…!

 

作中、将軍や信の剣は「重い」と表現されているのは、そういうことだったのか…と遅ればせながら納得しました。

しかも、ともに乗り越えた戦友たちは次々に逝ってしまう。

友を見届けた結果、六代将軍で唯一生き残ったあとも地に足を付けて戦い続けるのはツライというか…、相当な覚悟が必要だったでしょうね。

最後の戦友・王騎を失った廉頗(れんぱ)将軍のやるせない気持ちにも、すごく納得です。

 

これだから乱世は面白い。
摎(きょう)も笑っています。

王騎が笑っていたのは、すべての思いを昇華させて、本当に思い残すことなく逝ったという証ですよね。

王騎の最期をもって、一時代を築いたものから次の世代へ繋がれていく。

キングダム史上、最高の名場面でした…!

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