キングダムの主人公である「信(しん)」は、自分より年上の者・身分の高い者であっても、「さん」付けで呼ぶことはありません。
アニメ1期2話では秦の大王・嬴政(えいせい)に向かって「俺たち底辺の人間には、誰が王かなんて興味がないんだ」と言いのけています。
そんな信ですから、大王に対しても「政(せい)」と呼び捨て。
その他、大王の側近である昌文君や壁も呼び捨てです。
信が誰に対しても分け隔てなく接する理由は、「自身が戦争孤児で奴隷の出であること」「人の価値は身分や年齢で決まらないという信念」「ただの大馬鹿」この3つだと考えられます。
ただ、作中でたった2人だけ、信が「さん」付けで呼ぶキャラクターがいます。
- 信の初陣時、伍長を務めた澤さん
- 信の世話役である渕さん
信が敬意を表す「澤さん」「渕さん」について、本記事ではまとめていきます。
澤圭(たくけい)は信に「弱者の戦い方」を教えてくれたキャラ
澤さんこと『澤圭(たくけい)』は、信の初陣「蛇甘平原の戦い」で一緒に戦った人物です。
アニメではシーズン1,エピソード17で初登場します。
民兵たちは「伍」という五人一組のチームを作って戦いますが、澤さんは伍長として「信、尾平、尾到、姜瘣」を率います。
己の弱さを知っているから澤さんは強い!
小柄のおじさんで、細い目のせいか優しい顔立ちをしています。
信も当初「疲れ切った伍長」という印象を持っていました。
しかし、澤さんは自分の弱さを直視できている分、「弱者の戦い方」を熟知しています。
なんと、澤さん率いる伍では、過去に誰一人として命を落とした者はいないのです。
初陣で未熟な信に、伍の戦い方の基本「伍の結束」を教えてくれた元上司でもあります。
どんどん武功を上げて大きな隊になる飛信隊ですが、窮地に陥ることもしばしば。
窮地では、万を超える敵軍に対し、飛信隊100人未満なんてこともザラにありますから、澤さん直伝の「弱者の戦い方」が生きてきます。
澤さんがいたからこそ、飛信隊は絶望的だと思われる局面でも武功を上げられたのでしょう。
澤さんが信の運命を変えた!馬陽の戦いの名場面
王騎将軍の復帰戦でありながら命を落とした戦いでもある「馬陽の戦い(趙国軍vs秦国軍)」で、澤さんは信の運命を変えています。
夜営中に趙軍総大将・龐煖(ほうけん)が信たちを襲います。
信は大将首を狙い、龐煖に切り込みますが、反撃されて意識を失います。
討ち取られそうになった信を、身を挺して守ったのが「澤さん・尾平・尾到」の3人!
澤さんがいなければ、信は命を落としていたでしょう。
共に乗り越えてきたからこそ、信は出世してからも「澤さん」と呼び続けています。
信の敬意がとても伝わってきますよね。
統率力が光る!飛信隊の副長・渕(えん)さん
もとは王宮の連絡係だった渕さんですが、蛇甘平原の戦いのあと、百人将になった信の世話役に任命されました。
渕さんは信の修行に巻き込まれ、気づけば飛信隊の副長として戦に出ることに。(巻き込まれ事故w)
アニメではシーズン1,エピソード24で初登場します。
策士でもなく武の才に恵まれているわけでもない渕さんですが、副長として信から厚い信頼を寄せられています。
馬陽の戦いで魅せた!渕さんの「決心」が信に武功をもたらす
馬陽の戦いでは、王騎将軍直属の別動隊として「飛信隊」の名をもらいうけ、信率いる百人隊で「敵将 馮忌(ふうき)を討つこと」を命じられました。
飛信隊は小隊の利を活かし、馮忌本陣の真横に到着するのですが、敵軍に包囲されてしまいます。
飛信隊を2分し、一方を囮に、のこりの精鋭部隊を本陣に向かわせることがたった一つの活路でした。
なんと、渕さんは囮組の将として戦うと、自ら申し出るのです。
信は、共に修行を乗り越えた渕さんを信じることに。
結果、信は見事に馮忌(ふうき)将軍を討ち、渕さんたちも無事に逃げ切ることができました。
渕さんの決心と英断がなければ、武功を上げるどころか、飛信隊は全滅していたでしょう。
責任感と統率力のある人間性で信を後方支援!
山陽の戦い(魏国vs秦国)では、信たち精鋭部隊が敵将・輪虎(りんこ)の首を狙います。
隊長の信を始め、実力のある副長・羌瘣(きょうかい)と楚水(そすい)も精鋭部隊に組み込まれています。
後方部では、武力でも人数でも手薄になる中、副長・渕さん率いる飛信隊が懸命に陣地を守り抜きました。
この責任感の強さ・統率力の高さが、渕さんの最大の武器です。
これ以降、不利な状況にある小隊の将を引き受けたり、信が不在時には飛信隊を取りまとめるようになります。
判断力に優れ、自分の責務を全うする渕さんがいるからこそ、信が思い切り無茶できるんですよね。
澤さん・渕さんは信にとって信頼のおける仲間
飛信隊は澤さん・渕さんから始まったと言っても過言ではありません。
武の才はなくとも、仲間思いな人間性・忠誠心はズバ抜けています。
飛信隊にとってなくてはならない存在だからこそ、信はこの二人を「さん」付けで呼んでいるのでしょうね。
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